インストレーションとコンパイル時のオプション

ビルドは./configureコマンドを使って設定されます。configureはNGINXが接続の処理時に使うことができるメソッドを含めたシステムのあらゆる特徴を定義します。最後にMakefileを作成します。

設定コマンドは以下のパラメータをサポートします:

ファイルとパーミッション

–prefix=*path*
ファイルを提供するディレクトリを定義します。同じディレクトリが、設定(ライブラリのソースへのパスを除く)あるいはnginx.conf設定ファイルによって設定された全ての相対パスのためにも使われるでしょう。デフォルトでは/usr/local/nginx ディレクトリに設定されます。
–sbin-path=*path*
NGINX実行ファイルの名前を設定します。この名前はインストールの間でのみ使われます。デフォルトではファイルはprefix/sbin/nginxという名前です。
–conf-path=*path*
nginx.conf 設定ファイルの名前を設定します。必要であれば、コマンドラインパラメータ-c fileの中で指定することで、NGINXは異なる設定ファイルを使って常に開始されるように設定することができます。デフォルトでは、ファイルの名前はprefix/conf/nginx.confです。
–pid-path=*path*
メインプロセスのプロセスIDを格納するnginx.pidファイルの名前を設定する。インストレーションの後で、ファイル名はpidディレクティブを使ってnginx.conf 設定ファイル内で常に変更することができます。デフォルトでは、ファイルの名前はprefix/logs/nginx.pidです。
–error-log-path=*path*
初期のerror, warning, および diagnosticファイルの名前を設定する。インストレーションの後で、ファイル名はerror logディレクティブを使ってnginx.conf 設定ファイル内で常に変更することができます。デフォルトでは、ファイルの名前はprefix/logs/error.logです。特別な"stderr"値はNGINXに事前設定のメッセージを標準エラーに記録するように指示します。
–http-log-path=*path*
HTTPサーバの初期リクエストログの名前を設定する。インストレーションの後で、ファイル名はaccess logディレクティブを使ってnginx.conf 設定ファイル内で常に変更することができます。デフォルトでは、ファイルの名前はprefix/logs/access.logです。
–user=*name*
ワーカープロセスによって使われる特権の無いユーザの名前を設定します。インストレーションの後で、その名前はuserディレクティブを使って nginx.conf 設定ファイル内で常に変更することができます。デフォルトのユーザ名はnobodyです。
–group=*name*
ワーカープロセスによって使われる特権のないグループの名前を設定します。インストレーションの後で、その名前はuserディレクティブを使って nginx.conf 設定ファイル内で常に変更することができます。デフォルトでは、権限が無いユーザののグループ名が設定されます。

イベントループ

–with-select_module, –without-select_module
サーバがselect() メソッドを使うことができるモジュールのビルドを有効あるいは無効にします。プラットフォームがkqueue, epoll, rtsig, あるいは /dev/pollのようなもっと適切なメソッドをサポートしていないようであれば、このモジュールが自動的にビルドされます。
–with-poll_module, –without-poll_module
サーバがpoll() メソッドを使うことができるモジュールのビルドを有効あるいは無効にします。プラットフォームがkqueue, epoll, rtsig, あるいは /dev/pollのようなもっと適切なメソッドをサポートしていないようであれば、このモジュールが自動的にビルドされます。

任意のモジュール

–without-http_gzip_module
HTTPサーバの応答を圧縮するモジュールをビルドすることを無効にします。このモジュールを構築して実行するにはzlibライブラリが必要になります。
–without-http_rewrite_module
HTTPサーバがリクエストをリダイレクトし、リクエストのURIを変更できるようにするモジュールのビルドを無効にします。このモジュールを構築して実行するにはPCREライブラリが必要です。モジュールは実験的なもので、そのディレクティブは将来変わるかもしれません。
–without-http_proxy_module
HTTPサーバのプロキシモジュールのビルドを無効にします。
–with-http_ssl_module
HTTPプロトコルのサポートをHTTPサーバに追加するモジュールのビルドを有効にします。このモジュールはデフォルトでは構築されません。このモジュールを構築して実行するにはOpenSSLライブラリが必要です。
–with-pcre=*path*
PCREライブラリのソースへのパスを設定します。ライブラリの配布物(バージョン 4.4-8.21)はPCRE サイトからダウンロードして解凍する必要があります。後はNGINXの./configuremakeで終わります。ライブラリはlocationディレクティブ内での正規表現のサポートとngx_http_rewrite_moduleのために必要とされます。FreeBSDシステム上のsystem PCREについては、以下の注意 を見てください。
–with-pcre-jit
"jsut-in-time compilation"サポートを持つPCREライブラリをビルドします。
–with-zlib=*path*
zlibライブラリのソースへのパスを設定します。ライブラリの配布物(バージョン 1.1.3 - 1.2.5) はzlib サイトからダウンロードして解凍する必要があります。後はNGINXの./configuremakeで終わります。ライブラリはngx_http_gzip_moduleモジュールのために必要です。

Compilation Controls

–with-cc-opt=*parameters*
CFLAGS 変数に追加される、追加のパラメータを設定します。
–with-ld-opt=*parameters*
linkの間に使われる追加のパラメータを設定します。

パラメータの使い方の例(これらは全て一行で記述される必要があります):

設定
    --sbin-path=/usr/local/nginx/nginx
    --conf-path=/usr/local/nginx/nginx.conf
    --pid-path=/usr/local/nginx/nginx.pid
    --with-http_ssl_module
    --with-pcre=../pcre-4.4
    --with-zlib=../zlib-1.1.3

注意

FreeBSDにおいてsystem PCREライブラリを使う場合は、以下のオプションが指定されなければなりません:

--with-ld-opt="-L /usr/local/lib" \
--with-cc-opt="-I /usr/local/include"

select() によってサポートされるファイルの数が増加されなければならない場合は、以下のように指定することもできます:

--with-cc-opt="-D FD_SETSIZE=2048"
inserted by FC2 system